熱交換器を用いる事の理由について
ものの性質を決めるパラメーターとして知られるものに温度と圧力があります。
このことがよくわかる例として、水の場合について説明を行います。
水は、一気圧の室温付近では液体の状態です。
圧力はそのままで温度を下げていくと、0℃で氷になります。
また同じ一気圧で100℃まで温度を上げると、気体である蒸気に変わります。
このように、温度を変えるとものの状態というものが変化してくる訳です。
圧力の場合にも同様にものの状態に影響を与えることになりますが、多くの場合には圧力の影響が大きいのは対象物が気体である際で、固体の場合に大きな影響があるのは温度です。
したがって、ここから以降は、温度のことをメインにお話をします。
このようなことから工業製品などにおいては、その加工のプロセスにおいて温度を変化させて処理をやりやすくするということがよく行われます。
その際に生産工程の効率化をはかるためには、事情が許す限りにおいて素早く適温まで温度を変化させるということが重要なファクターとなります。
その様な際に用いられるのが熱交換器です。
熱交換器は、このような特殊な機能を持たせるために複雑な構造を持っています。
それぞれの状況に応じ、用いられるタイプや構造が異なってきます。
利用を計画する際には、対象となるプロセスがどのような温度範囲で行われるのか、利用できる流体はどのようなものであるかということをはっきりさせて、それに適した熱交換器を利用する必要があります。